巨木の森 秋の芦生の森 20091108 

滋賀と京都にまたがりブナの原生林が広がる芦生の森今年5月に念願の初芦生を体験し、その森の魅力に取り付かれてしまった。秋の紅葉の季節にまた必ず来ようと心に決めていた。そして、森の秋も深まった11月初旬に前回から二人増えた計6人で再びここ芦生の森に訪れることとなった。
 数日前に急に冷え込んだ日々が続き、紅葉も確実に進んでいるはずだ。街中の紅葉はまだ早いようだが、芦生の森のことだ、きっと我々の期待を裏切らないはずだ。
 11月8日 快晴。気温も昼には20度を越えるという予想だ。朝8時すぎにJR大津京駅前に集合し、我が愛車ビアンテに6人の人間と芦生への期待を積み込んで出発した。
 
 前回は滋賀県朽木生杉から三国峠→枕谷→長治谷作業所→杉尾坂→引き返し→地蔵峠→生杉 というルートを歩いた。前半の三国峠登山はそれなりにしんどかったが、それ以外の行程は比較的楽で、景色を楽しみながらの楽しいルートだった。今回も同じルートを取ろうか前日まで悩んだ末、私の独断でテーマを「巨木」とし、そのためのルートをとることにした。予定は未定、時間もどの程度かかるかわからないが、メンバー全員反対する人はいない。 
 さて、どうなることやら。


今回のルート
生杉P→ 地蔵峠 → 長治谷作業所 → 中山 → 八宙山 → 傘峠 → ケヤキ坂 →下谷 → 中山 → 地蔵峠→ 生杉P

10時前に生杉の登山口に到着した時にはすでにたくさんの車が停まっていた。少し出遅れたか・・・。ぬかるんだ道に長靴が役立った。が、私のアドバイスを聞いたものはおらず、他のみんなは皆トレッキングシューズでチャレンジだ。吉とでるか凶と出るか。

長治谷作業所までは前回も来た事があり、ルートにも見覚えがある。そこから先は、初ルート。期待の巨木には出会えるだろうか。中山へ向かう林道沿いにもすでに巨木の予備軍たちが出迎えてくれている。

林道に沿って流れる沢に下りてみると、なんとも言えない癒しの光景が目に入る。こんなところを歩くのには長靴が最高だ。
芦生の森は関西の屋久島と言われるだけあって原生林の雰囲気がいたるところに残っている。そのためか、ガイドブックに書いてあっても、実際にはそのルートは明確な道としては認識できないルートが多い。我々も傘峠に上る上り口がわからず、半ば強引に沢沿いの斜面を這い上がることになった。滑り、つまづき、呼吸を荒げながらなんとか峠へ続く尾根道を発見することができた。よしっ後は楽勝だ・・・と言うわけには行かず、この後も何度も迷いながら、コンパス片手に道を探すということを繰り返した。

八宙山〜傘峠ルートは急な上り坂が多く、唯一長靴の私を非常に苦しめた。長靴の特性で中が比較的ゆるくできているので、カポカポした状態での踏ん張りがきかず、変なところの筋肉を使っているのか、疲労も激しかった。それでも次第にうわさに聞いていたように、回りの木々の幹周りは太くなり、巨木予備軍の数も格段に多くなっていった。

八宙山付近で第一巨木発見。本当の巨木となるとやはり他とは一味違う。味のある形状にしばし見とれてしまった。タイトル「巨木と友達」

その後も次々と巨木を発見。目が慣れてきたのか、普通サイズにはもう驚かない。
傘峠で昼食タイム。手作りのトマトスープと食後のコーヒーは忘れられない味だ。

まだ長靴の活躍できるシーンはない・・・
思っていたよりも本格的な登山の様相で、皆も疲れている様子。それに秋の日は短く、そうゆっくりしている時間もない。
地図と相談し、当初予定していたルートの手前で、林道に入り、比較的楽なルートで時間を節約することにした。

平坦な道のなんて幸せなことか・・・ 天気もいいので結構汗だく

すでに落葉しているようだが、ところどころで紅葉を目にすることができた。ほっとする瞬間でもある。

日陰にはなんと積雪の跡が。先日の冷え込みで積もったらしい。今年初めてのプチ雪合戦も体験した。皆いい歳なのにね・・・。

楽な林道歩きでは、自然と会話もはずむ。
時刻も4時を過ぎ、次第に日が傾きかけたのを実感できた頃。ようやく下谷へ続く林道に入った。でも、林道を歩くだけだとおもしろくない。やはり芦生の魅力は沢に沿って歩くことである。そして、ようやく私の長靴が大活躍するのである。

下谷〜中山までのルートは車も通れる林道が整備されているが、その横に流れる沢沿いにはこれまた魅力的な湿地帯が広がっている。水を得た魚のように長靴でじゃぶじゃぶだ。

すごくいい雰囲気の沢

そして、最後に巨木のオンパレードだ。

最後に、本日一番の巨木 「カツラ 保存木」とのご対面。巨木群の中にあって、ひときわ目立つ存在に自然の偉大さを感じた。人間って小さいよなぁ・・・。
この後、長治谷で最後のコーヒーブレイクをとった。辺りはもう真っ暗だ。車に戻ったのは6時前で、すこし無理をしたことを反省。

後は再び大津市内まで車を走らせ、やまとの湯でゆっくりと疲れを癒した。

前半は本当に疲れた。しんどかった。でも、なぜかそのしんどさが心地よい。あんなにしんどかったのにもう次回の予定が頭の中をめぐっている。 また、同じメンバーで春先の新緑の季節にでも来たいと思う。
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